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コンセプト

脂質機能から迫る植物の一生

脂質は生体分子の中でも最も構造的な多様性に富む分子であり、その組成は植物の一生を通じて時空間的にダイナミックな変化を示します。脂質の機能は生体膜の構成成分のみならず、エネルギーの貯蔵やシグナル伝達分子として多様な機能を果たします。我々の研究チームは、種子植物や緑色微細藻類などをモデルとし、多様な脂質分子種のダイナミックな変動を時空間的に捉えることで、こうした脂質分子がどのように環境変化に応答して植物の成長や発生を制御しているかを明らかにすることを目指しています。こうした研究は、これまで全く知られていなかった、脂質による新たな成長制御のしくみを明らかにするとともに、代謝工学による脂質機能の改変を経て環境中の二酸化炭素を高エネルギ―化合物である脂質に変換し、種々の産業に役立てるための技術開発にも役立つことが期待されます。

研究アプローチ

脂質はタンパク質とは異なり、遺伝子の直接的な産物ではありません。よって、脂質組成を構築する代謝とその制御のしくみを理解することが、脂質機能による植物の成長制御の解明にきわめて重要です。我々の研究チームでは、「代謝のしくみを完璧に理解すれば自在に操れるはず」をモットーに、脂質代謝の理解に基づき新たな脂質機能を解明するとともに、得られた知見を代謝エンジニアリングに随時応用し、植物の成長をできるだけ損なわない「生き物にやさしいバイオものづくり」を目指しています。

代謝

機能

エンジニアリング

研究方法

生化学から最先端のオミクス解析まで

植物脂質研究には実に多様な方法が求められます。我々は、手持ちの実験技術にとらわれることなく、新たな実験技術を常に習得し続けることで、問題解決のために最適な実験方法を選択することを心がけています。

応用

脂質研究からSDGsへ

脂質は光合成産物から合成される高エネルギーな炭素化合物として知られています。我々は、脂質代謝に関する基礎的な理解を代謝エンジニアリングの戦略開発に繋げ、異なる油脂産業が求める脂質品質を作り出す代謝エンジニアリングのソリューションを提供することで「持続可能な開発目標(SDGs)」に貢献します。

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